ジーンズのポケット部分についている金属のパーツ。
この金具は「リベット」と呼ばれ、ジーンズの歴史を語るには欠かせないものなんです。
この記事では、リベットの歴史や種類をご紹介していきます。
リベットを理解することで、ジーンズ選びがさらに楽しくなりますよ。
リベットとは?
ジーンズのポケットの縁についている金属製のパーツ。それがリベット。
英語では「rivet」と書き、鋲(びょう)を意味します。
リベットは生地の裏側から尖った金具を貫通させ、表側から飛び出た部分を金具で固定した構造になっています。
ジーンズの破れやすいポケットや股の部分を補強するために誕生しました。
もっと詳しいリベットの歴史を振り返ってみましょう。
リベット誕生の歴史
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:1850_Woman_and_Men_in_California_Gold_Rush.jpg
wikimediaより引用
1800年代、ジーンズは炭鉱夫や農夫など重労働者の作業着として生まれ、愛用されていました。
しかし、丈夫なジーンズも重労働に耐えられず、破れてしまうことも多々ありました。
そこで一役買ったのが仕立屋のヤコブ・デイビス。
「破れない丈夫なジーンズを作ってほしい」と重労働者の奥さんから依頼を受け、ポケットや股などの破れやすい部分にリベットを打ち込んで補強する方法を生み出したのです。
リベットを打ち込んでジーンズを補強する方法は瞬く間に人気を博し、ヤコブ・デイビスのお店は大繁盛に。次第にこの方法をマネする人が増えてきました。
ヤコブ・デイビスは「特許を取得したい」と考えましたが、費用の捻出が難しく・・・。
取引があったリーバイ・ストラウスと共同で特許申請を行い、1873年5月に正式に特許を取得しました。
その後、ヤコブ・デイビスはリーバイ・ストラウスから依頼され、サンフランシスコに建設されたリーバイス最初の工場の工場長に就任しました。
リベットを打ち込んでジーンズを補強する方法を生み出したことで、仕立て屋からリーバーイスの工場長になる。夢のある話ですよね。
現在も多くのジーンズのポケットに、リベットが打ち込まれています。
もちろんリベットは生地を補強するための実用的なパーツ。
しかし現在は各ブランドのオリジナリティーを出したり、ファッション性としての機能も持ち合わせています。
リベットにも種類がある!
リベットも世の中のニーズや利便性に合わせて、これまで様々な変化を遂げてきました。今回は代表的な3種類のリベットをご紹介します。
打ち抜きタイプのリベット
一番最初に誕生したのは、ジーンズの裏から貫通させた金具が表に剝き出しになっている「打ち抜きタイプ」のリベット。
特徴はリベットの中心から、打ち抜いた時の生地がはみ出ていること。
打ち抜きタイプのリベットは現在もジーンズ好きから根強い人気があり、ビンテージジーンズでは今でも使われることが多いリベットです。
1960年代まで打ち抜きタイプのリベットが主に使われていました。
しかし、当時のリベットは飛び出た部分をペンチで切って処理していたため先が尖っており、上着や椅子を痛めてしまったり、カウボーイが馬の鞍を傷つけてしまったり、デメリットもありました。
そこで打ち抜きタイプのリベットのデメリットを改善するために誕生したのが、次に紹介する「隠しリベット」です。
隠しリベット
隠しリベットが誕生する前に、打ち抜きタイプのリベットのデメリットを解決したのが、リーバイスのライバル企業「Lee」。
バックポケットにリベットではなく バッテンカンヌキ留めを採用し、カウボーイの間で人気を博しました。
リーバイスはLEEに負けじと試行錯誤を繰り返し、リベット留めを内側に隠す「隠しリベット」が誕生したのです。
バッテンカンヌキを取り入れるのではなく、リベットを隠す方法を採用したのは、リベットを生み出したブランドとしてのプライドがあったのでしょう。
この隠しリベットは、1937年から1966年頃まで採用されました。
被せリベット
そして現在、一番多く出回っているのが「被せリベット」です。
被せリベットは打ち抜きタイプのリベットと基本の構造は同じですが、裏から貫通させた部分に金具を被せたリベットです。
抜き打ちタイプのリベットの様に糸も出ずに、スッキリした印象になります。
ジーンズを選ぶときはリベットにも注目してみて
ジーンズを補強するために取り付けられたリベットですが、現在はオシャレの一部としてファッション性の高いリベットも多く存在します。
これまでは純銅のリベットが一般的でしたが、最近では綺麗めなスタイルに合わせやすいシルバーのリベットが付いたジーンズも増えています。
各ジーンズメーカーのこだわりが詰まったリベット。ジーンズを選ぶときにはリベットにも注目してくださいね。
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