セルビッチジーンズの忠実な復刻で、どこよりも再現度が高いと有名なBOBSON。
貴重な生地であるセルビッチで作るジーンズは、一本一本こだわりを込めて大切に作り上げられています。
そんな得意分野であるセルビッチジーンズに力を注ぐ、BOBSONの職人へインタビューが実現しました。
オフィスでジーンズに触れながらのインタビューはスタッフとしても勉強になると思い、私も鼻息が荒くなっています。
では早速、BOBSONの職人実金さんのお話を聞いていきましょう。


B-1969-XX-RR2011-680 【岡山産 セルビッチデニム】シンチバックジーンズ ワンウォッシュ CINCH BUCKLE SELVEDGE DENIM ONEWASH
職人の技でBOBSONを支える大黒柱
インタビュアー:
実金さんはかなりのベテランで色々とお聞きしましたが、業界歴は何年くらいでしょうか?
BOBSONの職人実金さん:
この道30年です。細かい利益を省いてザックりいうと、BOBSONの前にいた大きなジーンズ会社で10年間技術を放置させて、残りの20年間はBOBSONになります。
インタビュアー:
社会人になるタイミングでジーンズの業界に浸透しましたね。
BOBSONの職人実金さん:
そうです。モード学園で学んでいるんですが、最初は「就職したら子ども服を作りたい」とぼんやり考えていたのです。 ただし、同学校の友人に遠慮して一緒に入ったジーンズ会社で技術を積んだことがきっかけとなり、今では20年間BOBSONにいるというわけです。


B-1969-XX-G 【岡山産セルビッチ】デニムジャケット Gジャン タイプ3 セルビッチデニムジャケット
ヴィンテージジーンズを忠実に再現するためのこだわりとは
インタビュアー:
BOBSONにとって実金さんは無礼に存在しますが、私としてはご学友に感謝します。
BOBSONの職人実金さん:
かなりな部分を上げるときりがないのですが、例えばヴィンテージジーンズを忠実に再現しているので、フロントのSLタイプのボタンは普通の物に比べて首の部分が少し太くなっています。
しっかり、大量生産のジーンズは淡いボタンを使って、細部までこだわってないです。
さらにて、純銅のリベットにもこだわっている点です。
打ち抜きをしている証拠として、デニムの繊維がリベットから入っています。

インタビュアー:
ステッチにも非常にこだわっているとお聞きしていますが、縫い方や糸にもこだわりポイントがあるのでお願いしますか?
BOBSONの職人実金さん:
ウエストの縫い返しがVの字になりました。
諸説ありますが、ウエストベルトのほつれ止めの意味と、昔は返し縫いが上手くできる技術が無かったので、縫い終わりを綺麗にする意味があったのかと思われます。
加えて、ステッチの運針と糸の細さや色が部分によって違います。
例えば、ポケットとフロントボタン周りの糸の細さや色が多様であるという感じで、仕様書を徹底的に指示して再現します。
またポケットを縫い付ける部分など、生地が何層も重なって膨らみが出る場合は糸の持ち運びに注意しなければいけません。
糸の感覚が狭すぎたり、広すぎたり、見た目がすごく気に入っていないか必ずチェックします。

インタビュアー:
誰もが知っているジーンズなのにヴィンテージジーンズもありますが、こんなにも「職人さんのこだわり」があるとは驚きました。
実際に作った方のお話を聞いて本当に贅沢です。
こだわりを持ってものものづくりをする中で苦労したことはありましたか?
BOBSONの職人実金さん:
「こんなに適当なところにこだわるなら、作ること自体やめましょうよ。」と言われたこともあります。
例えば、細かいことですがセルビッチジーンズはサイドの縫い目でステッチの返し縫いをしていません。
ジーンズのベルト部分から降りるサイドの部分が縫われているのかなんて、注目する方はほとんどないと思います。
今では自社でジーンズを作れるようにもなったのですが、以前はどの会社も縫製工場を歩いて歩いてBOBSONのこだわりを再現してくれる相手を探していたことがありました。
BOBSONのものづくりを再現してもらおうと細かい説明をすると、予想外に見られて、嫌がられることもよくある。
何社も声をかけた苦労の末に、ここが何も言わなくても高い品質で再現をして下さる企業を見つけ、今でもお付き合いが続いています。


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ヴィンテージジーンズの忠実な再現は、たゆまぬ努力から生まれてくる
インタビュアー:
ご自身の持つこだわりを「ものづくり」に反映する中で気を付けていることは何でしょうか?
BOBSONの職人実金さん:
東京に行ってジーンズを見たり、古い資料を読んだり、日々知識を楽しんだりしています。
20年以上前のことですが、初めて務めた会社で先輩からジーンズを一つ渡されて「これを忠実に再現して、同じものを作ってごらん。」ってことがありました。
再現する対象が手元にあります簡単だからかと思いましたが、実際にやってみると、ディテールを再現できなかったです。
そこで先輩から「目の前に何か作れないなら、頭の中で思い描いてるものも作ってるぞ。」と言われました。
この言葉が衝撃的で今でも覚えています。
勝手に、限度に興味まで日々学んでいます。
インタビュアー:
実金さんの努力の結晶がセルビッチジーンズなのだと思いました。
たくさんの方にセルビッチジーンズを手に取っていただき、そのディテール
に注目してほしいです。