近年、ファッショニスタの注目の的になっている「デニム」。
中でも、「セルビッチ」という貴重なデニム生地を使って作られたセルビッチジーンズをこよなく愛する本物志向の女子を「セルビッチ女子」と呼びます。
今回はBOBSONのセルビッチジーンズを実際に履いてくださっている、生粋のセルビッチ女子であるハルさんにお話しをうかがいました。
インタビューの際のzoomでは、約130日間育てたというBOBSONのセルビッチジーンズを壁に飾って下さっていたハルさん。
画面越しからでもBOBSONのセルビッチジーンズやデニムへの愛が伝わってきました。
彼女のデニム愛がどこから来たのか、セルビッチジーンズを選んだ背景や、モノを選ぶ時のこだわり等をさっそく掘り下げていきます。
セルビッチ女子「最愛の着こなし」はヴィンテージ感とアメカジ
Q.ジーンズに合わせる服装は、いつもどんなものを選ばれていますか?秋はジージャンとセルビッチジーンズの上下セットアップにボーダーを合わせたり、ヴィンテージのTシャツの様に色があせたようなデザインものと合わせたりします。
今はアメカジにはまっていて、発色の良いTシャツが少しだけ色落ちしたような状態ものが好きです。
足元のお洒落なら、皮靴とカラフルな模様の靴下を合わせても可愛いです。
あとは、セルビッチジーンズの裾をおって、赤耳をチラリとみせるのが一番好きな着こなしですね。
例えばですが、真っ赤な皮ベルトもセルビッチジーンズに合わせると馴染んで見えます。
革製品も職人さんの手作業で造られたものを選んで身につけるようにしていて、愛用品たちの経年変化を同時に楽しんでいます。
ジーンズ好きの理由は「地域愛」と「クラフトマンシップへの敬意」
Q.ハルさんは昔からジーンズがお好きだったのですか?
私には兄弟に兄がいて、小さいころから一緒に遊んでいたので、昔からパンツスタイルが多かったと思います。
意識をしてデニム中心に履き始めたのは、20代後半からですかね。
もともと出身地が岡山県だったので、「岡山のジーンズを履きたい」と思ったんです。
中でもジーンズ好きになった入口は、児島の加工デニムです。
最初は格好いいダメージリペア加工を発見して、
「児島にはこんなに技術のある職人さんがいるのか」と知り、
ジーンズの世界にのめり込んでいきました。
格好いいジーンズを探していくうちに、だんだんと履きたいジーンズの志向が生デニムに行き着いたんです。
ジーンズ好きは、皆が「生デニムから自分でジーンズを育てたい!」というところに行き着くのではないかと考えています。
実際に生デニムの色落ち具合を育てているときに、BOBSONの生デニムのセルビッチジーンズに出会いました。
BOBSONのセルビッチジーンズは、デニム生地の厚さが13.5オンスで
厚すぎず薄すぎず通年通して履きやすいんです。
例えば他社は、生地の厚みが15オンスもあるので夏は暑くてなかなか履けないなぁと感じます。
生デニムを育てて色落ちを楽しむ中でも、生地の厚みが分厚いと色落ちに時間がかかりすぎてしまいます。
BOBSONのセルビッチジーンズは生地の厚みが丁度よくて、色落ちもスムーズです。
B-1969-XX-G セルビッチデニムジャケット Gジャン Type 3 Selvedge Denim
好きこそデニムの上手なれ。
Q.デニムの知識は自分から勉強されたのですか?
デニムが好きになってからは、履きながら身のまわりにある情報をどんどん吸収していきましたね。
セルビッチジーンズについて、知れば知るほど愛着が湧いてきます。
ちょっと高いなと思う商品も、その裏には手間暇だったり、歴史だったりといった「ストーリー」が必ずあって、それを知るのが楽しくてハマってしまいました。
特に30~40代の方は、「デニム生地やレザーなど経年変化を楽しめるもの」、「背景にストーリーがあるもの」を求めている方が多い傾向にあると思いますね。
この「経年変化を楽しむ」点に関しては、日本の30~40代の方だけでなく海外からの熱視線も強く感じています。
日本では生デニムを履いて、色落ちを楽しんでいる方はまだまだ少ない。
そんな方を探す方が難しいかもしれません。
しかし、海外の方のInstagramの投稿を見ると女性でも生デニムからじっくりデニムを育てている方は沢山いるんです。
メイドインジャパンデニムへの「信頼」「憧れ」といった熱視線は、やはり海外からきているということが分かります。
余談ですが、海外にはInstagramの投稿内で行われる「1年でどれだけ色落ちさせられるか大会」があります。
「インディゴインビテーショナル」というイベントです。
その年の4月1日が生デニムを履き始めるスタートで、生デニムだという証拠を出すために生デニムの写真とハッシュタグをつけてまず投稿します。
そこから、締め切りの365日後に一番かっこよく色落ちした人がランキングで決まるというものです。
ランキング上位はほとんど男性で、デニムを着て働いている方、例えば建設現場の方とか漁師さんには色落ちでかなわないと分かります。
そもそも色落ちしていない生地が好きな方や、あまりセルビッチジーンズとか生デニムに興味がない人は、デニムそのものの色を落とさずに楽しんでも良いと思います。
やみくもに速く色落ちをさせようとするのはジーンズ初心者だと言われたりもしますし。
経年変化だけにこだわるのではなく、デニムそのものの色を落ちないように大切に使うのも良いですね。
今こそ考えたい「エシカルなモノの選び方」
Q.日本の女性はワンシーズンごとで服を買い替える方も多いように思いますが、ハルさんは昔から「長く使えるモノ」を選ぶタイプだったのでしょうか?
以前から頻繁に服を買い替えていたわけではないですが、やはり20代前半の頃は「大量生産のファストファッション」をよく着ていました。
ファストファッションは2年程度着た後に、古くなったものから捨てて買い替えるという生活をしていましたね。
しかし、20代後半になると、「良い物を知りたい」、「良いものを身につけたい」と考えることが増えました。
買う時は少し大変だけど、その分良いものを買って長く愛用したいですね。
加えて、できれば自分の地元である岡山県が強みにしている生産品を履きたいとも考えました。
その商品の後ろにある物語や、企画された方の想い、作る人の技術力などのストーリーがあるものを所有したいと思っています。
セルビッチ女子が「本物を選ぶ」ときの軸とは…
Q.では最後に、ハルさんが「モノを選ぶ時の一貫した基準」とは何でしょうか?
「技術のある職人さんが丹精込めて作るもの」
「経年変化を楽しんで長く使えるモノ」
この2つがものを選ぶ時に大切にしていることです。
例えば良いデニムを買ったとして、10年、20年、30年、極端に言えば棺桶に入るまで、足腰が立つ間はずっと使えると思うんです。
革製品などもそうですけど、色落ちなどの経年変化を楽しむことができるモノを選ぶことで愛着もわいてきます。
それが私の「モノ選びのポイント」です。