ロールアップしたジーンズからちらりと見える赤いライン、目にしたことがある方も多いのではないでしょうか?
その赤いラインこそが、セルビッチデニムの特徴なんです。
デニム愛好家から絶大な支持を得ている、セルビッチデニム。
この記事では、その特徴と魅力を説明いたします。
セルビッチデニムとは?
セルビッチデニムとは、旧式の織機(シャトル織機)で織り上げられ、生地の端にほつれ止めが施されているデニムのことです。
日本のセルビッチデニムは1970年代から製造されており、当時は「復刻版」「レプリカ」「フェイクビンテージ」と言われていました。それらを1980年に「セルビッチ」と正式に認定し、それ以降は、「セルビッチデニム」と呼ばれるようになりました。
セルビッチ=赤耳?!
最初はセルビッチのほつれ止めは無色や白色が主流でした。しかし、リーバイス社がほつれ止めに赤い糸を使ったことで、それが人気を博し、ほつれ止めの赤いラインは「赤耳」と呼ばれるようになりました。
「赤耳」はセルビッチデニムの大きな特徴であり、現在もデニム愛好家たちから親しまれています。
ちなみに、セルビッチ=赤色というわけではなく、デザインとして青色や白色の糸が使われたものなど、様々なバリエーションもあります。
セルビッチは普通のデニムよりも高い?その理由とは
セルビッチデニムは普通のデニムよりも高級なイメージがありませんか。
機能性を付与していない通常のデニムと比べると、セルビッチデニムは1.5倍~2倍ほどの値段が付けられることも、珍しくありません。
「どうしてセルビッチデニムは高いの?」そう思いますよね。
セルビッチデニムが高いのには、ちゃんと理由があるんです。
旧式織機は時間と手間がかかる
セルビッチデニムは旧式の織機で作られます。
旧式の織機には、たくさんの問題点があるんです。
まずは、時間!
旧式の織機は、最新の織機よりも運転速度が遅く、1本のデニムを作るのに、通常のデニムの5倍以上の時間が必要です。
さらに、最新の織機はコンピュータによって比較的簡単に正確な作業ができますが、旧式の織機は職人さんの手作業が必要不可欠です。セルビッチデニムには厚手の生地が使われることが多く、きれいに織り上げるには職人さんの高い技術も必要です。
加えて、旧式の織機は生産がすでに終わっているため、部品の調達やメンテナンスにも苦労が絶えません。
通常のデニムに比べて、2倍以上の生地が必要
セルビッチデニムは、側面裏の縫い合わせ部分に生地の端を使うので、裁断の方法が限られます。
さらに、最新の織機を使った通常のデニムの場合、生地の横巾が150cmまで織れるのに比べて、旧織機を使ったセルビッチデニムは横巾80cm程度しか織れません。そのため、1本のジーンズを作るのに、通常のデニムよりも2倍以上の生地が必要になります。
1本のセルビッチデニムを作るために、通常のデニムよりも約5倍の時間と2倍以上のデニム生地が必要なんです。これこそが、セルビッチデニムが通常のデニムよりも高値になる理由です。
それでも、セルビッチデニムが愛される理由
生産効率が悪く、値段も高い、セルビッチデニム。
「一体何が良くて、セルビッチデニムを買うの?」
そう思う方もいると思います。
セルビッチデニムが愛されるのには、ちゃんと理由があるんです。
裾をロールアップすれば赤耳が程良いアクセントに
セルビッチデニムの醍醐味と言えば、デニムをロールアップした時にチラリと見える赤いライン。通称「赤耳」。
裾から見える赤いラインが、コーディネートにさりげなくパンチを加えてくれます。
セルビッチの特徴である「赤耳」は、セルビッチデニムの魅力の一つと言えるでしょう。
B-1969-XX-G セルビッチデニムジャケット Gジャン Type 3 Selvedge Denim
穿き込むほどに、独特のアタリが生まれる
そしてセルビッチデニムが愛される最大の理由は、穿きこむほどに、オリジナルの味わいが生まれることです。
なぜなら、旧式の織機で、ゆっくりと空気を含ませながら手作業で織ることで、織り方が不均等になり、生地表面がでこぼこになります。これは一見デメリットのように感じますが、この生地のデコボコが、穿き込んだ時に「アタリ」と呼ばれる絶妙な色落ちを生み出すのです。
アタリとは?
デニムを穿き込んでいく間に、擦れて色落ちした部分のことを「アタリ」と言います。フロントの股部分にできるアタリは「ヒゲ」、ジーンズの後ろ見頃の膝裏にできるアタリは「ハチノス」と呼ばれます。
現代の高性能な織機では表現できない、独特の味わいが生まれるのがセルビッチデニムの最大の魅力なんです。
日本のジーンズ文化を詰め込んだBOBSONのセルビッチデニム
BOBSONは日本のジーンズ文化を詰め込んだ最高峰のセルビッチデニム『B-1969-XX-J STRAIGHT SELVEDGE DENIM』を制作しました。
もちろんセルビッチデニムの特徴の1つである、赤耳も健在です!
生地、縫製、デザイン、細部にまでこだわりを詰め込んだ、BOBSONのセルビッチデニム、見て、触れて、穿いて、古き良きジーンズの文化を感じてみてくださいね。
『B-1969-XX-J STRAIGHT SELVEDGE DENIM』の詳細はこちら